相生の昔話

(21)小河(おうご)地方のたわむれ口

子供「おっさん、はなし、しとくれ」

叔父「話しははげて、昔は、むけた」
甲「はなし、しちゃろか」

乙「うむ、してくれ」

甲「あのな、あのな、…。あのなで済んまいた」

注1:「たわむれ口」とは、じょうだん(冗談)話という意味です。
注2:「しとくれ」とは、「して下さい」のくだけた表現です。
注3:「しちゃろか」とは、「してあげようか」という意味です。
注4:「済んまいた」とは、「終わりました」という意味です。

 今回で「相生の昔話」は、無事に全21回分を終えました。ご愛読ありがとうございました。
 立巳理恵先生には、昔話にふさわしい温かい挿絵を描いていただきました。感謝申し上げます。
 相生にはまだまだ沢山の昔話があります。この「相生の昔話」が、多くの方により様々な視点で、多くの昔話が発信されるきっかけになれば、その任を果たしたことになります。
挿絵:立巳理恵
出展:『相生市史』第四巻